女性肛門外科
肛門外科は、はっきりした自覚症状があるにもかかわらず、「恥ずかしい」「怖い」「不安」というイメージから、特に女性は受診をためらわれる方も多い診療科だと思います。
実は、女性は妊娠・出産で、おしりのトラブルになりやすく、ホルモンの影響で、便秘にもなりやすいため、お困りの女性の患者様が多いです。
当院はレディースクリニックですので、待合室で男性の目を気にすることもありませんし、ドクターもスタッフもすべて女性です。
肛門・おしり周りで気になる症状(痔など)をお持ちの方、お悩みの方は、お気軽にご相談ください。
※生理中でも受診いただけますのでご安心下さい。
このような症状の方はご相談ください
・出産後の痔
・肛門周囲のかゆみや痛み
・便秘である
・肛門のできものや突出
・排便時の出血や痛みなど…
・肛門周囲のかゆみや痛み
・便秘である
・肛門のできものや突出
・排便時の出血や痛みなど…

診察の流れ
肛門科では以下のような流れで診察を行います。安心してご受診ください。
1.問診
2.診察
3.結果と治療法の説明、投薬
1.問診
2.診察
①視診
②指診
③肛門鏡検査
②指診
③肛門鏡検査
排便時の出血について

人間は、2足歩行をするため、痔ができやすい生物です。
排便時の出血は、ほとんどが痔(いぼ痔や切れ痔)ですが、
痔のとても厄介なところは、痔があることによって、大腸がんを見過ごしてしまうことがある!ということです。すなわち、痔があることによって、排便時の出血の原因をすべて痔と考えてしまい、潜んでいる大腸がんを見逃してしまうことがあるのです。
当院では、下部消化管内視鏡検査をはじめ、大腸がんの検査を受けることが可能です。
出血がある場合は、大腸がんの可能性もありますので、下部消化管内視鏡検査をぜひ、受けていただきたいと思います。
肛門の痛みが長く続いたり、下着が分泌物で汚れたりする場合も、早めの受診をお勧めいたします。
女性によく見られる肛門疾患について
痔核(いぼ痔)
◇痔核とは?
排便時のいきみや長時間の同じ姿勢・冷え・妊娠・出産などで、肛門周辺がうっ血することによりできた、おしりの血管のコブです。痔核はコブができる場所によって、内痔核と外痔核に分けられます。
○外痔核
○外痔核
肛門の出口近く(歯状線より肛門側)にできるのが、外痔核です。突然強い痛みと共に肛門の周囲に血栓(しこり)ができます。悪化すると皮膚が破れて出血する場合もあります。
多くが便秘や下痢、アルコールの飲み過ぎ、長時間の同じ姿勢、激しい運動などきっかけを伴って起こります。
・外痔核の治療についてほとんどの場合、薬で改善する事が多いですが、痛みや腫れがひどい場合は、手術を行うことがあります。
○内痔核 肛門の奥(歯状線より口側)にできるのが内痔核です。
内痔核は自然に消失することはなく、くり返すうちに肛門の支持組織がゆるみ、痛みのない出血や脱出などの症状が出てきます。
内痔核は以下の4段階の症状に分けられます
当院は、内痔核に対する※ジオン注射硬化療法(ALTA) の認定施設です。内痔核は自然に消失することはなく、くり返すうちに肛門の支持組織がゆるみ、痛みのない出血や脱出などの症状が出てきます。
内痔核は以下の4段階の症状に分けられます
Ⅰ度:肛門鏡で観察すると腫脹しているのがわかるが、排便時でも脱出しない程度の痔核
Ⅱ度:排便時に肛門外に脱出するが、排便が終わると自然にもどる程度の痔核
Ⅲ度:排便時に脱出し、指で押し込まないともどらない痔核
Ⅳ度:常に肛門外に脱出していて、指などで押し込んでも戻らない状態
・内痔核の治療についてⅡ度:排便時に肛門外に脱出するが、排便が終わると自然にもどる程度の痔核
Ⅲ度:排便時に脱出し、指で押し込まないともどらない痔核
Ⅳ度:常に肛門外に脱出していて、指などで押し込んでも戻らない状態
軽度の場合は、軟膏や座薬などの薬物療法で保存的に治療を行い、排便の方法や生活習慣などアドバイスを行います。
Ⅲ度以上の症状や日常生活に支障があったり、出血による貧血がひどい場合は、手術をお勧めいたします。
・当院で可能な内痔核の治療法Ⅲ度以上の症状や日常生活に支障があったり、出血による貧血がひどい場合は、手術をお勧めいたします。
・薬物療法
・手術療法(結紮切除術・PPH法)
・ゴム輪結紮法
・注射による硬化療法(※ジオン注射(ALTA))
・手術療法(結紮切除術・PPH法)
・ゴム輪結紮法
・注射による硬化療法(※ジオン注射(ALTA))

・新しい硬化療法、※ジオン注射(ALTA)治療とは?
ジオン注射硬化療法とは、いぼ痔、特に肛門の奥にできる内痔核の治療として、最近注目されている硬化療法の一つです。
痔の部分に硫酸アルミニウムカリウム・タンニン酸など特殊な注射液を4段階に分けて注射することで、痔核が萎縮して硬くなり、外に飛び出さなくなります。
持続性があるため、手術治療でしか治せなかった進行した内痔核(Ⅲ度)でも、治療効果が期待できる治療法です。
痔の部分に硫酸アルミニウムカリウム・タンニン酸など特殊な注射液を4段階に分けて注射することで、痔核が萎縮して硬くなり、外に飛び出さなくなります。
持続性があるため、手術治療でしか治せなかった進行した内痔核(Ⅲ度)でも、治療効果が期待できる治療法です。
裂肛(切れ痔)
◇裂肛(れっこう)とは?
便秘などに伴って、便が硬く太くなることにより、肛門上皮が切れる状態のことです。
女性に多くみられる肛門疾患で、きれ痔やさけ痔と呼ばれたりします。
排便時や排便後に痛みを生じ、紙に少量付着するくらいの出血があります。
裂肛を繰り返すことにより、肛門ポリープが発生するといわれています。
・裂肛の治療について女性に多くみられる肛門疾患で、きれ痔やさけ痔と呼ばれたりします。
排便時や排便後に痛みを生じ、紙に少量付着するくらいの出血があります。
裂肛を繰り返すことにより、肛門ポリープが発生するといわれています。
裂孔は、排便時に激しく痛むため、つい排便を我慢してしまい便秘になりやすくなり、症状を悪化させてしまうことが多くあります。
薬を肛門内に挿入して傷を早く縮小させると同時に、日常生活を改善し、便秘や下痢の排便をコントロールしながら、根気よく治療を行っていくことが大切です。
薬を肛門内に挿入して傷を早く縮小させると同時に、日常生活を改善し、便秘や下痢の排便をコントロールしながら、根気よく治療を行っていくことが大切です。
肛門皮垂
◇肛門皮垂(スキンタグ)とは?
肛門の周囲にできた皮膚のたるみのことです。
多くが外痔核や裂孔などで一時的に肛門部がはれ、その後はれが萎縮したあとに、シワとなって残ったものです。
なかでも肛門前方にできるものは女性に特有で、出産後や裂肛が長期間存在した時にできます。
痔は皮膚の清潔を保ち、便通をコントロールするなど、保存的治療を行うことにより、多くは症状が改善しますが、いったん形成された皮垂は切除する以外、消えません。
・肛門皮垂(スキンタグ)の治療について多くが外痔核や裂孔などで一時的に肛門部がはれ、その後はれが萎縮したあとに、シワとなって残ったものです。
なかでも肛門前方にできるものは女性に特有で、出産後や裂肛が長期間存在した時にできます。
痔は皮膚の清潔を保ち、便通をコントロールするなど、保存的治療を行うことにより、多くは症状が改善しますが、いったん形成された皮垂は切除する以外、消えません。
スキンタグは、放置しておいてもかまいませんが、スキンタグのために肛門周囲に皮膚炎をおこし、かゆみや痛みを生じる方がおられます。
また、美容的に気にされる方も多く、これらの場合は手術を行います。
日帰り手術が可能です。手術翌日、必ずしも仕事を休む必要はありません。
また、美容的に気にされる方も多く、これらの場合は手術を行います。
日帰り手術が可能です。手術翌日、必ずしも仕事を休む必要はありません。
肛門周囲皮膚炎
◇肛門周囲皮膚炎とは?
肛門周りの皮膚が炎症を起こしたために、かゆみやべとつき、浸出液で下着が汚れるなどの症状を認めます。原因は、頻回の肛門洗浄・アレルギー性疾患・真菌症(カンジダなど)・肛門疾患(痔核、裂肛、ポリープ、肛門皮垂)などです。
・肛門周囲皮膚炎の治療について多くの場合は、日常生活の改善と内服薬や軟膏処置で治療が可能です。
原因が真菌症の場合は軟膏処置により症状が悪化することがありますので、必ず真菌検査を行います。(真菌検査は4~5日で判定できます)肛門疾患の治療は、軟膏や座薬などの薬物療法と肛門マッサ-ジ、排便や生活習慣の指導が中心です。それでも治らない方にのみ、手術を行います。
◇その他(痔瘻)原因が真菌症の場合は軟膏処置により症状が悪化することがありますので、必ず真菌検査を行います。(真菌検査は4~5日で判定できます)肛門疾患の治療は、軟膏や座薬などの薬物療法と肛門マッサ-ジ、排便や生活習慣の指導が中心です。それでも治らない方にのみ、手術を行います。
痔瘻(じろう)とは肛門周囲膿瘍(細菌が肛門に侵入し膿がたまる病気)の膿が出た後にトンネルができたものが痔瘻です。男性に多くみられます。
・痔瘻の治療について痔瘻は経過が長いと癌になることもあるため、特殊な場合を除いて手術治療を行います。
ただし、当院には入院設備がありませんので、術後入院の必要な方は、専門病院にご紹介させていただきます。
ただし、当院には入院設備がありませんので、術後入院の必要な方は、専門病院にご紹介させていただきます。
お尻のことで悩んでおられる患者様、不安がらずに勇気を持って受診してください!